21世紀に戦争特需は再来するのか

38度線韓国北朝鮮国境

朝鮮戦争時の戦争特需

太平洋戦争が終結し、一面が焼け野原となった日本において復興というテーマは昨今の災害とはまた違ったテーマでの再生となりました。
その最中にあった1950年から朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)と大韓民国(韓国)との間で戦争が勃発。

アメリカ軍を中心とした国連軍が日本を拠点とした支援を韓国側に行ったことで日本経済は瞬く間に潤った、いわゆる朝鮮戦争による特需、朝鮮特需と名付けられた好景気があったことが広く知られていることです。
実際にこの特需は戦争によって大きな損失を得た日本が、わずか1年で戦前のGNPを上回る回復を見せるほどの大きなものでした。
このような戦争による特需が、今後も訪れるのか。これについて検証してみました。

戦争特需が起こる条件

戦争による特需が生まれるにはいくつかの条件が考えられます。
まずあげられるのは圧倒的な生産性のある土地、国家ということです。
戦争が起こった地域の隣の国などでは、たいてい同盟国のために基地の提供を行ったり、政治的な配慮がなされることがありますが、それらの国が一定の生産性がなければ継続して将兵や兵器に休息、補給を行うことができません。そこで一定の生産性がない国は、補給に不向きとして敬遠されることも考えられます。
もちろん戦術上、有効な場所であると判断された場合、基地提供なども行われることはあるかもしれませんが、作戦規模が小規模なものになることから、経済に大きな影響をあたえるところにまでは至らないと思います。
次に、戦争に巻き込まれない、という条件です。
攻撃を受けた国は、投資家から敬遠されがちです。そのような国家の存亡に関わる事態が発生した場合、株価を含め大きな暴落騒ぎとなるでしょう。
あのアメリカですら911の時は大きく株価を下げ、その影響は同盟国の日本にも大きな影響を与え、911前日と比べてみても6.6%もの下落を見せました。
非常にハードルの高い条件ですが、同盟国に基地を提供したことで同国が攻撃を受ける恐れは十分考えられます。
これは攻撃を行う側の国の攻撃能力によっても決まってきますが、陸続きの国であれば間違いなくリスクは高いものになります。
逆に日本のような海洋国家、島国であれば、攻められる手段が限られてきますのでリスクは下がります。
これらの条件を大枠としてとらえた場合、現代で特需が起こりえるのでしょうか。

現代の日本で戦争特需が起こる可能性は低いと考える

まず朝鮮戦争当時について触れてみると、当時は北朝鮮、韓国が朝鮮半島の覇権を握るため起こした戦争です。
もちろん背後には共産圏である中国・ソ連と資本主義のアメリカなどの国の綱引きがここで行われていたのです。
各国の思惑は絡んでいましたが、それでも1950年代の兵器は第2次世界大戦で使用された兵器が少し良くなった程度のものでしたので、兵器射程から考えて戦場は朝鮮半島のみという状況でした。
例えば戦闘機で言えば、ジェット戦闘機の初期型が制空権を握り、陸上では歩兵と戦車、砲兵がメインでした。
そして繰り返しになりますが、両国を含めた各国の目的が朝鮮半島の統一だったので、いわば日本は蚊帳の外だったのです。
増してや海軍能力に乏しい北朝鮮でしたから、アメリカ側についた日本を攻撃しようにも、その能力はなかったと言えるでしょう。
このことから、日本はアメリカ軍などに補給基地として提供しやすい位置にいたといえ、結果として物資の動きにより特需を得ることができたのです。

しかし現代では、北朝鮮には核兵器を含めたミサイルを保有しています。
仮に朝鮮戦争の休戦が破れ、再び戦争が起こった場合、日本がアメリカ軍に基地を提供(実際にはすでに提供していますが)したとしても、ミサイルによるリスクが考えられます。
また当時にはなかった韓国、中国との緊張が複雑に絡み合っているため、前回の戦争のような特需を濡れ手に粟のようにつかめるかというと疑問が残ります。

日本にとって近隣諸国での戦争が景気に結びつく可能性は低く、むしろリスクが大きい、と考えるのが自然だと思います。

参考記事

朝鮮特需 – Wikipedia

Follow me!

  • Facebook
  • twitter
  • Hatena